Google口コミを増やす方法を検索すると、さまざまな施策が出てきます。写真を増やす、投稿をこまめに更新する、口コミに丁寧に返信する。どれも間違いではありませんが、選択肢が多いほど、結局どこから始めればよいのか迷ってしまいます。
手っ取り早く思えるのは、お客さんに口コミをお願いすることです。スタッフに「会計のときに一声かけて」と伝え、目標件数も決める。口コミを増やしたいなら件数を管理する、という考え方は一見すると自然です。
しかし、Googleの公式ヘルプとポリシーを読むと、口コミをお願いするための具体的な方法と、避けるべき頼み方がそれぞれ示されています。公式ヘルプが案内している共有方法は4つです。また、口コミの件数や評価については「役立ちうる」と慎重に表現されています。一方で、スタッフに目標件数を割り当てることは、ポリシー上認められていません。
Google公式が案内する4つの共有方法 — 領収書・感謝メール・チャット・店内掲示
Googleビジネスプロフィールでは、口コミを依頼するためのリンクやQRコードを作成できます。公式ヘルプには、そのリンクやQRコードを共有する方法として、次の4つが紹介されています。
- Include it on your receipts
- Include it in thank you emails
- Add it at the end of a chat interaction
- Print and display the QR code in your store
日本語版では、同じ箇所が次のように書かれています。
ユーザーがビジネス プロフィールにクチコミを投稿しやすくするために、リンクまたは QR コードを作成して共有し、クチコミをリクエストできます。
- 領収書に含める
- 感謝メールに含める
- チャットでのやりとりの最後に追加する
- QR コードを印刷して店舗に掲示する
(出典: Googleビジネスプロフィール ヘルプ(英語版)(新しいタブで開きます) および日本語版(新しいタブで開きます)、2026年8月12日取得)
4つは、いずれも普段の営業の中にある場面です。領収書は会計時、感謝メールは来店後のお礼、チャットは問い合わせ対応の最後、QRコードは店頭への掲示に使えます。新しい業務を増やすのではなく、いつもの接客の流れに口コミの案内を加える形です。
ただし、Googleが認めている集め方がこの4つだけ、という意味ではありません。公式ヘルプから確認できるのは、リンクやQRコードの共有方法として、この4つが案内されていることです。
根拠のはっきりしない「裏技」を探す前に、まずは公式が案内している4つから検討するのがわかりやすいでしょう。会計・お礼の連絡・問い合わせ対応・店頭の中から、自店の営業に合う場面を選べます。
口コミの件数と評価について、公式は「役立ちうる」と表現している
口コミの件数が増え、評価が高くなると、検索順位はどうなるのでしょうか。Googleの公式ヘルプでは、ローカル検索結果の順位について次のように説明しています。
Local results are mainly based on relevance, distance, and popularity.
「ローカル検索結果は主に、関連性・距離・知名度に基づく」という意味です。3つ目の「知名度」を説明する箇所には、口コミの件数と評価について次の一文があります。
More reviews and positive ratings can help your business’s local ranking.
英語版をそのまま訳すと、「口コミの件数が多く、評価が高いことは、ローカル順位に役立ちうる」です。ポイントは can help という表現です。「順位が上がる」と断定しているわけではなく、どの程度影響するのかも示されていません。公式の表現は、あくまで 役立ちうる にとどまります。
一方、同じページの日本語版では、より断定的に書かれています。
クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ローカル検索結果のランキングが高くなります。
「クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ローカル検索結果のランキングが高くなります」と断定している
口コミの件数が多く、評価が高いことは「ローカル順位に役立ちうる(can help your business’s local ranking)」と書かれている
日本語版のページ末尾には、AIで翻訳された内容が含まれる場合があり、翻訳には誤りが生じる可能性があると書かれています。Google自身が、日本語訳の正確性を保証しているわけではありません。
(出典: Googleビジネスプロフィール ヘルプ(英語版)(新しいタブで開きます) および日本語版(新しいタブで開きます)、2026年8月12日取得)
日本語版を誤訳と断定する必要はありません。ただ、正確性が保証されていない訳文だけを根拠に、「口コミを増やせば順位が上がる」と言い切ることもできません。この記事では、より慎重な英語版の表現を基準にし、「役立ちうる」と捉えます。
Googleは、スタッフへの目標件数の割り当てを認めていない
お客さんに口コミをお願いすることと、スタッフに目標件数を課すことは別の話です。Googleマップのユーザー投稿コンテンツポリシーには、後者が「店舗に認められていない行為」として明記されています。まず、口コミを依頼するときのルールとして、次のように書かれています。
When soliciting reviews, merchants should not require or pressure users to leave ratings or write reviews while on the premises, nor should they request that specific content be included.
これは、「口コミを依頼する際、店舗は、店の敷地内で評価や口コミを残すようユーザーに要求したり、圧力をかけたりしてはならない。また、特定の内容を含めるよう求めてもならない」という意味です。続けて、This includes(これには次の行為が含まれる)として、2つの例が挙げられています。
- Merchants requesting that staff solicit a certain number of reviews
- Merchants requesting that staff solicit reviews that include specific content, including content that identifies a staff member.
(出典: Googleマップ ユーザー投稿コンテンツポリシー(英語版)(新しいタブで開きます)、2026年8月12日取得)
1つ目は、店舗がスタッフに一定数の口コミを集めるよう求めることです。2つ目は、スタッフ名が分かる内容など、特定の内容を含む口コミを集めるよう求めることです。
つまり、口コミを増やすためであっても、スタッフごとに 目標件数を割り当てること は、Googleが認めていない行為に当たります。ポリシーには「何件までなら問題ない」といった基準はなく、a certain number of reviews(一定の件数)を求めること自体が例として挙げられています。
ただし、スタッフがお客さんに口コミを案内することまで、すべて禁止されているわけではありません。問題になるのは、店内で投稿を要求・強要することや、件数・内容を指定することです。線引きは「声をかけるかどうか」ではなく、「何を求めるか」にあります。
「異常な量やパターン」は、評価操作を示す場合に問題になる
目標件数を決めると、短期間にまとめて口コミを集める方法も浮かびます。知り合いや常連客に次々と声をかけ、短い期間で件数を増やす。Googleのポリシーにある「評価操作(Rating Manipulation)」の項目には、このような集め方に関係する次の条項があります。
Content exhibiting unusual volumes or patterns of review contributions that are indicative of efforts to manipulate a place's rating
意味は、「評価を操作しようとする取り組みを示す、異常な量やパターンの口コミ投稿」です。量やパターンが普段と違うだけで、直ちに問題になるわけではありません。重要なのは、それが評価を操作しようとする取り組みを示しているかどうかです。原文では indicative of efforts to manipulate と書かれています。
ポリシーには、「何件を超えたら」「何日以内なら」といった具体的な基準は書かれていません。そのため、「この件数・期間までなら安全」と判断することはできません。読み取れるのは、普段の営業から切り離して「口コミの数を作ること」が目的になるほど、この条項が問題にしている集め方に近づくということです。
同じ「評価操作」の項目には、もう1つ、次の条項もあります。
Content that is based on a conflict of interest.
「利益相反に基づく投稿」です。ポリシーでは例として、現在または過去の雇用関係、契約・顧問関係、同業他社との競合関係、家族関係などが挙げられています。口コミを増やすために身内や元スタッフへ依頼する方法は、この例に重なります。
その背景にある考え方は、「Fake Engagement」の冒頭に書かれた次の一文に表れています。
Contributions to Google Maps should reflect a genuine experience at a place or business.
「Googleマップへの投稿は、その場所や店舗での実体験を反映すべきである」という意味です。どの条項にも共通するのは、口コミが実際の体験に基づいているかどうかです。件数は、その結果として表れる数字です。
4つの共有方法を、いつもの営業に取り入れる
では、実際にどのように口コミをお願いすればよいのでしょうか。Googleが案内している4つの共有方法に戻って考えます。
同じポリシーには、店舗に認められている行為として、次のように書かれています。
We do allow merchants to:
- Solicit or encourage the posting of content that does represent a genuine experience, without offering incentives to do so or attempting to influence the rating or the contents of the review.
「実体験を反映した投稿を依頼・奨励することは認める。ただし、見返りを提供したり、評価や口コミの内容に影響を与えようとしたりしてはならない」という意味です。つまり、口コミをお願いすること自体は認められています。押さえるべき点は、次の3つです。
最初から4つすべてを用意する必要はありません。まずは、どの場面で案内するかを1つ決めます。会計時に渡すのか、来店後のお礼メールに載せるのか、問い合わせ対応の最後に添えるのか、レジ横に掲示するのか。1つ決めれば、日々の営業の中で繰り返し案内できます。
私たちポスラクは、口コミへの返信や口コミ集めを支援するサービスを作っています。立場上、都合のよい話に聞こえるかもしれません。
それでも、施策を10個、20個と並べる前に、まずは公式ヘルプに載っている共有方法を1つ選び、いつもの営業に組み込む。私たちは、そこから始めるのがよいと考えています。
冒頭で挙げた「スタッフに声をかけてもらうこと」と「目標件数を決めること」は、同じではありません。スタッフに目標件数を割り当てることは、Googleが認めていない行為です。短期間にまとめて件数を増やす方法も、評価操作の条項が問題にしている集め方に近づきます。
一方、口コミをお願いする場面は、日々の営業の中にあります。領収書、お礼のメール、チャットの最後、レジ横の掲示。まずはそのうち1つにリンクやQRコードを置くことから始められます。

